秋も終わり、木枯らしが舞う頃になると、待望の国府シングルトラックのシーズン到来である。豪快な剣山スーパー林道もいいが、シングルトラックの面白さは格別だ。
国府シングルトラックは徳島市国府町の気延山(きのべやま)から西に伸びる山並みの尾根に沿ってトラバースしていく。通常MTBで走るのは阿波史跡公園から曲突越(くどうごえ)までの間の往復で、距離は約14km。標高150m〜200mの小ピークをいくつも越えていくアップダウンに富んだコースである。所要時間は休憩を含め2〜3時間。見晴らしのいいポイントからは、北側に吉野川中〜下流域、南側に神山町方面を見渡すことができる好展望のコースでもある。
アップダウンが連続するシングルトラックの走行には高度なバランス感覚とテクニックが要求される。テクニックといても派手でトリッキーなものではない。 それは、狙ったラインを外さずに走り、登り、下り、鋭角ターンなどをこなすことである。 初心者では急傾斜になるとたちまち「押し」が入るが、テクニックが身に付くにつれて乗車率はアップしてくる。クリヤーできる箇所が増えていくのも本コースを走る楽しみだ。
なお、このコースを国府シングルトラックと呼ぶのは自転車乗りだけである。本来は四国電力鰍ェ送電線のメンテナンスを行うための管理用道路。 自転車以外にもハイキングのコースとして以前から親しまれていた。自転車はどちらかというと新参者。 現在のところ歩行者も概ね好意的であるが、登山服に身を包んだ人の中には「ここは自転車で走るところではない」と目くじらを立てる人もいる。 あくまでも四国電力鰍フ管理道であり、ハイカーもMTBも利用させてもらっているという点で同じ立場なので、一方的に自転車乗りが白い目で見られなければならない理由はないと思うのだが…。 とはいえ、交通弱者である歩行者との間で重大な事故が発生するとMTB乗り入れ禁止となる可能性も考えられるので、トラブルは極力避けなければならない。 走行においては歩行者の脅威にならないよう注意し、離合の際には挨拶を心がけよう。また、貴重なコースを極力傷めない走行を心がけるべし。
※ 例年3月末の日曜日には徳島県勤労者山岳連盟主催の「やまなみウォークラリー」が開催される。
この日はMTBの乗り入れを控えた方が無難。
■コースについて
大半は狭いシングルトラック。路面は軟質土がほとんどで、岩場はごく一部しかない。
そのため、ドライコンディションのときとウェットコンディションのときでは走りやすさが異なる。前日に雨が降った日などではタイヤやシューズに泥が付着して走りが重くなるとともに、登りでのトラクションが減り、相当テクニックがない限り、ドライなときより乗車率が落ちてくる。
全体を通して見通しの悪い箇所が多い。歩行者や対向の自転車と衝突しないよう、前方には十分注意すること。
■基本テクニック
基本中の基本はまっすぐ走ること。MTB、ロードに限らず、全ての自転車の基本であり、テクニック以前の問題かと思うが、意外にもこれができていない人が多い。まずはロードでもまっすぐブレずに走れることができなければシングルトラックを走るのは無理。たとえ、ロードではまっすぐ走れたとしても、初めてシングルトラックに入ったなら、まっすぐ走ることが難しいと感じるだろう。幅が狭いシングルトラックでまっすぐ走るためには、ちゃんとフレームの芯に沿ってペダリングできなければならない。平衡感覚も重要だ。ロードのように前傾したままでは平衡感覚がわからなくなることがある。
■自転車について
ハードテールとソフトテールではどちらが有利か?
一長一短あり。リアサスは下りのみならず、登りでのトラクションという点でも優れている。そして、何より乗っていて面白い。欠点は車重・操作ともに重くなってしまうこと。一方、リジットの有利な点は軽快で機敏であること。とっさに飛んだりできるのはリジットであり、リアサスは苦手。また、押しになったら軽いリジットの方が有利。重いバイクは結構辛い。
面白さ重視ならソフトテール、シビアに攻めるならハードテールというところか。
空気圧は体重やリアリジットかWサスかで若干変ってくるが、2.0気圧前後が多い。ドライコンディションやリム打ちが心配ならエア圧はこれより高めにセッティングしよう。