剣山スーパー林道1日往復

Cicling Diary

■実施日 6月21日(日)
■距 離  160km
■コース 剣山スーパー林道
■天 候 曇り 一時晴&雨&濃霧

残された課題

MTBによるスーパー林道1日往復が初めて試みられたのは今から5年前の2004年のこと。挑戦者はTREK  TS氏と当時TOKUに勤務していた現サイクルサイエンス店長のN川氏。 このときは所要時間の誤算、食料不足、寒さのために山の家奥槍戸までの往復で終わっています。 最後はハンガーノックで真っ暗のダートを走らなければならないという悲惨な状況になりました。

2回目はそれから2年後の2006年。挑戦者はN川氏と当時TOKU手伝だったAEG君そしてあべの3人。 1回目の反省から2回目は十分な食料で臨みました。 ところが、必要以上の装備を満載した自転車はその重量のために登坂速度が極端に遅く、まったくの逆効果。 山の家どころかその半分にも満たない川成峠で撤退。 スーパー林道にカップラーメンを食べに行っただけに終わってしまいました。 真剣にやろうとしていたのか?単なる職場の慰安旅行だったのでは?など、事後に批判を浴びることに…。

その後、N川氏の独立で中心人物不在となり、課題だけが残されることになってしまいました。 まぁ、今のところMTBは下火だし、当分は話題だけで終わるだろうと、関係者は内心ホッとしていたのですが、 何とN川氏はこともあろうに独立寸前にこの課題をK 隊長に引き継いでいたのでした。 発つ鳥後をにごしまくりではないですか! 過去2回に及ぶ失敗(2回目はカウントしてはいけないと思うのですが…)と聞いて、K 隊長はやる気満々。 一人で上勝⇔山の家の試走を行うなど、関係者の心配はピークに達していました。 そして、6月21日、夏至の日曜日という、まるでスーパー林道往復のために用意されたような日に、ついに決行となったのでした。

午前5時スタート

 スタートはスーパー林道起点の角屋橋から約8km奥のダート開始地点。 夜明け前から集合したのはK隊長のほか4名の志願者、鳴門先生、K段君、S光君、あべという面々。 ほぼ予定どおりの午前5時4分スタート。 昨日の雨によりダートにはぬかるみや水溜りがいたるところに見られました。 重い路面はドライな状態と比べて体力を消耗し、速度も落ちます。 K隊長の予想する往復の所要時間は10時間。 彼は数週間前、起点⇔山の家を試走し、このときの所要時間が8時間だったので、プラス2時間で全線往復可能と見越していたのでした。 朝5時のスタートなら午後3時には帰還できることになります。 実際の所要時間は予想を大幅にオーバーしてしまったのですが、この時点ではまだ誰も15時間もかかるとは思っていませんでした。

スーパー林道起点
スタート
スタート直後
4:23 スーパー林道起点
5:04 ダート開始地点からスタート
5:10 スタート直後

旭丸峠へ

最初の難関は旭丸峠までの登り。 急勾配になってS光君が遅れ始めました。K 段君の友人でアドベンチャー志向という彼はMTBに乗り始めてまだ日が浅く、今回は高ノ瀬までの片道のみの予定。 非情ですが、行程が倍の私たちはそのまま先行させてもらうことにしました。 アドベンチャーといえば、第一人者のすた子さんがK-mori氏たちと別動隊で土須峠から走ることになっていました。S光君は私達と離れても、あとからやって来るすた 子さんたちと会えることでしょう。
旭丸峠に向ってぐんぐん高度を上げると、雲間に青空が見えてきました。天気予報からは雨を覚悟していたので、ちょっと安心。昨日降った雨は水蒸気となって山肌から立ち昇り、再び空へと戻っているところでした。

旭丸峠への登り
朝空と山肌
旭丸峠到着
5:50 旭丸峠への登り
雲間から青空がのぞく
6:08 旭丸峠到着

旭丸峠からファガスの森へ

午前6時8分、旭丸峠到着。最も急勾配の区間は舗装されているためか、予想よりもだいぶ早く到着しました。 峠から西の神山方面の眺めはまるで墨絵。 雨上がりの山並みに雲が棚引いて、いつになく雄大に見えました。 旭丸峠からは西へトラバース。わずかな平坦区間ですが、ここでも路面には水溜りが多く、進行速度が上がりません。 3kmほど走ると次は土須峠への一気の下りに転じました。

神山方面の眺め
ぬかるむ路面
土須峠からファガスの森へ
旭丸峠から見た神山方面 旭丸峠からのトラバース区間
6:49 R193からファガスの森へ

6時31分、土須峠通過。ここから国道193号を少し下った後、ファガスの森まで約7kmの登りとなります。 意外とキツイこの区間。時間もかかって、ファガス到着は7時21分。 腰を下ろして休憩&補給。と、ここで鳴門先生に異変が…。 先生は食料をMTBにビニールテープで縛り付けていたのですが、土須峠への下りに振動でサドルの下に縛り付けていたパンの袋の底が破れて大半のパンを失ってしまっていたのです。 き、気の毒…。あまりトラブルのなかった今回、最大の悲劇でした。

ファガスの森
あっ、無い!
7:21 ファガスの森到着
あれっ、パンがない!
鳴門先生のパン 底の破れたパン袋
最初の状態、パンが入ってます
6:49の拡大図 袋が破れてパンは…

往路後半

ファガスで10分ほどの休憩の後、走り出す。7時56分、徳島のへそ着。 天気が良ければ高展望のポイントですが、前方に見えるはずの高丸山は雲の中。青空は高丸山より西の方。 K 段君が盛土のへりを走行すると、結構いい写真が撮れました。  スーパー林道最高地点をクリヤーし、8時22分、川成峠通過。 ここから先は、おおぼら橋までアップダウンの連続。 スーパー林道らしい豪快な景観が随所に見られる区間ですが、徐々に疲労がたまっていきます。 8時44分に天神丸の水場、9時11分に日奈田峠を通過。

徳島のへそ
天神丸付近
日向峠付近
7:56 徳島のへそ 8:48 天神丸を通過し、日奈田峠へ 9:11 日奈田峠

10時に一ノ森登山口を通過し、10時18分、槍戸分岐(おおぼら橋)に到着。 その先は山の家までの4.2kmの登り。往路最後の難関。この区間はザレた路面が多く、疲れました。 10時58分、山の家到着。 高ノ瀬からの登りに備えて昼食としました。 山の家に缶ジュースはありませんかと聞いたところ、ジュースはない代わりに、温かいお茶を振舞ってくれました。 少し冷え始めていた体に温かいお茶はありがたかったです。 11時22分、高ノ瀬へ向けてスタート。雨が降り始め、各自ウインドブレーカーやカッパを着用してのダウンヒルとなりました。

槍戸分岐
山の家
剣山トンネルから高ノ瀬へ
10:18 槍戸分岐通過 山の家で温かいお茶をいただく 11:22 剣山トンネルから高ノ瀬へ

往路完了、復路へ突入

12時5分、高ノ瀬到着。終点まで降りると雨は止んでいました。 ついにスーパー林道終点まで来てしまいました。往路完了。 スタートから既に7時間が経過しており、国道195号にエスケープすることもできますが、ここまで来たら誰も撤退する気はありません。 復路はここから山の家までの17kmにおよぶ長い登り返し。1時間半と見ていましたが、これが大誤算。 3年前のスーパー林道MTBヒルクライムのときのタイムを参考にしていたのですが、往路を走った後の足ではとても無理。 登坂時間だけでも2時間以上を費やしてしまいました。 山の家にたどり着いたときには、すた子さんたちの姿は既になく、 広い駐車場にS光君が一人だけでぽつんと立っていました。(結局、山の家までたどり着いたのは同行のK氏のみで、すた子さんやk-mori氏は途中で引き返したとのこと。)

高ノ瀬、スーパー林道終点
高ノ瀬からの登り返し
再び山の家
12:06 終点到着  12:20 復路開始
13:35 剣山トンネルまであと5km付近
14:35 山の家到着 14:52 下り始める

空の燃料タンク

S光君は終点まで下って予定終了。 私達にはまだ60km以上の距離が残っていました。 K 隊長は当初、復路の方が往路よりも時間は短いと言っていましたが、高ノ瀬の登りで受けたダメージのためにペースが上がりません。 ハンガーノックにならないように補給を摂っていても、ほとんど空の燃料タンクに給油しているような感じでした。 ペースが落ちてきたなと思ったら、食べる。すると食べた分だけ走れる。 ペースが落ちそうになったらまた食べる。食いつなぎながらひたすらゴールを目指したのでした。 第1回目の挑戦では途中で食料が尽きてしまった訳で、おまけに寒さと暗闇という悪夢のような状況は精神的にも相当きつかったと思われます。

山の家からの下り
午後からは雲が多くなる 川成峠
槍戸への下り
天神丸付近 復路は雲が多くなる
17:06 川成への分岐 疲れた…

終盤に再び青空

往きよりも帰りは雲が多く、ところどころ濃霧となって前方が見えません。 5時過ぎに川成への分岐地点で小休。一人遅れていたあべもここで合流。各自かなり疲労の色が見えています。 6時6分、ファガスの森到着。土須峠〜旭丸峠に備えて最後の補給。なんとK 隊長はこの期に及んでまだおにぎりを残していました。さすが。 見上げると頭上にはいつの間にか青空が戻っていました。青空を見ると不思議にそれだけで元気が出てきます。

再び最高地点へ ファガスの森(復路)
ファガスの森から見た空
17:46 高城山付近
18:06 ファガスの森
見上げると再び青空になっていた

伝説達成!

ファガスの森からは国道193号への下り。下りきったあとは土須峠を経て旭丸峠に向う最後の登り。 途中で日没を迎えました。暗くなり始めると意外にも森の中は賑やかに。 樹間に何かの鳴き声が響いていました。最初はセミかなと思ったのですが、どうやらカエルのようです。 種類はわかりませんが、かなりの数が棲息しているようでした。7時30分、旭丸峠到着。 最後はライトを点灯しての下りとなりました。暗くなる予定でなかったK隊長と鳴門先生はライトを持っていません。 大詰めで転倒なんてことにならないよう、慎重に下りました。 8時14分、ようやくスタート地点まで戻ってきました。 所要時間は休憩も含め約15時間。それにしても、これほど時間がかかるとは…。 ロードなら400kmに相当すると思われます。もちろんこれは伝説入りですね。なにはともあれ、完走のみなさん、お疲れさまでした。

神山方面の眺め(復路)
帰還、往復完了
19:30 旭丸峠から見た神山方面
20:14 往復完了

参考

K 隊長の目標タイムとは別に区間ごとに所要時間を割り当て、全行程を13時間半で走破する行程表を事前に作成していました。  各区間の目標到着時刻と実際の通過時刻は以下のとおり。

スーパー林道1日往復行程表
往     路 復     路
地      点 目 標到着時刻 実 際の時刻 地     点 目 標到着時刻 実際の時刻
スタート地点 5:00 5:04 高 ノ瀬(終点) 12:00 12:22
旭丸峠 6:30 6:08 山の家奥槍戸 13:30 14:35-14:52
土須峠 7:00 6:31 槍 戸分岐(おおぼら橋) 13:45 -
ファ ガスの森 7:30 7:21 に くぶち谷 14:45 -
川成峠 8:30 8:22 日 奈田峠 15:10 16:16
天神丸の水場 8:50 8:44 天神 丸の水場 15:25 16:49
日 奈田峠 9:15 9:11 川 成峠 15:45 17:10
に くぶち谷 9:30 - ファガスの森 16:45 18:06
槍戸 分岐(おおぼら橋) 10:15 10:18 土須峠 17:15 -
山 の家奥槍戸 11:00 10:58-11:22 旭丸峠 18:00 19:30
高ノ瀬(終点) 11:30 12:05 スタート地点 18:30 20:13

往路復路ともに6時間30分+高ノ瀬での昼食30分という設定でした。実際には昼食は山の家となりましたが、 往路はあまり目標時刻を外れていません。ところが、復路は剣山トンネル(山の家奥槍戸)までの登りが大誤算。 1時間半も目標時刻から遅れ、最終的にも目標時刻から1時間43分遅れのゴールとなりました。 トータルの所要時間は約15時間。往路7時間、復路8時間。 ほぼ全区間アップダウンの連続で積算の登った高さは4,500mを超えました。

スーパー林道プロフィール