■実施日 平成20年(2008年)2月10日
■コース 南淡路市緑〜柏原山〜モンキーセンター〜灘黒岩〜諭鶴羽山〜緑
■走行距離 約60km
昨年は天候に恵まれなかった南淡路。今年も前日が雨で山間部では雪という天候でしたが、当日はやや雲が多いもののまずまずの天気。往きの高速道路からは 南淡路の山並みが雲に覆われることなく見えていました。洲本ICで高速を降り、コンビニで補給食を購入。その後、いつものように南淡路市緑庁舎の駐車場へ 移動。
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南淡路市緑庁 舎をスタート | 柏原山登り始 め |
9時20分、緑をスタート。今回の参加者は写真左より、A松さん、K段君、MARUさん、あべ、Y村さん、H見君そしてサポートN川 の総勢7名。今年は 山が見えているので、迷うことなく洲本ゴルフ場の横を通って、柏原山へ直行。鳴門大橋を渡るときには強風で速度規制されていましたが、柏原山の麓ではほと んど無風状態。寒さも覚悟していたほどではなく、すぐに体が暖まって汗ばんできました。スタート直後の平野部を走っているときから、山の上の方には所々白 い部分が見えていたのですが、登るにつれて道路脇に雪が現われてきました。幸い路面凍結はなく、最初のうちは特に問題はありませんでした。
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中間地点付近 | 徐々に雪が増 えてきた |
中間地点を過ぎたあたりから徐々に雪が路面にまで残っているようになりました。いったん下った後で勾配が急になってくると本格的に雪 が深くなり、とうと うサポートカーは走行不能になってしまいました。仕方がないので、サポートカーは来た道を戻り、由良から先回りして私たちが下ってくるのを待つことになり ました。 これまでも柴小屋などで雪に覆われた路面を走ったことはありましたが、10%以下の比較的緩やかな坂。ところが柏原山の後半は急勾配の連続で、後輪がス リップして何度も足をつかなければなりませんでした。 クルマのタイヤで圧雪された部分しか通れないのですが、轍から脱線してしまうと、たちまちハンドルが取られて進めなくなってしまいます。 15センチくらいの幅からはみ出さないように急勾配を登り続けるのはなかなか難しいものです。なんとか轍の上を走れてもトラクションは十分ではなく、後輪 を空転させながらもバランスをとって登っていかなければなりません。 悪戦苦闘しているうちに額から汗が流れてきました。 目に入りそうになっても、片手を離すと前輪が轍から脱線するので汗をぬぐうこともできません。 ギヤはインナーロー。進行速度も5km以下で、乾いた状態の半分くらいのスピードです。
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サポートカー 進行不能に | MTBも走行 困難に |
峠手前にあるパラグライダー基地にたどり着いたのは午前11時15分。 昨年はスタート直後に道に迷って遅れましたが、今年は雪に手間取って去年とほぼ同じ到着時刻となってしまいました。この分だと、モンキーセンターに到着す るのは午後1時頃になりそう。午後2時には諭鶴羽の登りに取り付かないと暗くなってしまう可能性が高くなってきます。 雪道は悪戦苦闘を強いられながらも楽しい経験でしたが、後半の時間的余裕を奪ってしまったのでした。
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11時15分 パラグライダー基地到着 | 足元は雪です が展望は良好 |
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雪のダウンヒ ル | 戻ってきたジ ムニーとすれ違う |
峠を越えると後は下り。南側なので雪はないのではと期待しましたが、下り始めは北側と変わらないくらいの雪。下りは登りと違って、踏 まれてない雪の上の 方が走りやすかったです。雪の抵抗で自然とスピードが鈍るので、ブレーキ不要でした。少し下ると例によって紀伊水道の眺めが飛び込んできました。視界が開 けた所まで来たところで、峠で私たちを追い越していった一台のジムニーが戻ってきました。少しお話をしましたが、私達が徳島から来たことを知ると、四国は いいですねぇと言っておられました。
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雪を割って走 るのは気持ちがいい |
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雪が消えてき た |
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立川水仙郷の 先の峠 |
ジムニーが引き返した地点より先は全くの新雪。その上を割って走るのは実に気持ちのいいものでした。そして、いつものように鹿と遭
遇。これは先頭を行く
者の特権なのですが、柏原山の下りではかなりの確率で鹿を目撃します。いったい諭鶴羽山系には何頭の鹿が棲息しているのでしょう。
アップダウンを繰り返しながら下っていくうちに、徐々に雪が減っていきました。南側はやはり北側よりも雪が消えるのが早いようです。ガードレールのない
コンリート舗装の道をさらに下って友ヶ島海峡を見下せる東屋まで来ると、迂回していたN川君が待機してくれていました。雪道に手間取っていた私達がなかな
か来ないので、先にモンキーセンターへ行ってしまったのではないかと思ったそうです。いつもならここで友ヶ島海峡を眺めながらゆっくり休憩するのですが、
今回は時間に余裕がないので手短に切り上げることにしました。東屋からはヘアピンの連続をこなして県道に合流。立川や黒岩では水仙が見頃を迎えており、県
道は頻繁にクルマが行き交っていました。立川水仙郷では入口に20台くらいのロードレーサーが並べられていました。一昨年も同じ光景に出会いましたが、ど
うやらそのときと同じグループのようです。由良から回ったN川君は走っているところを見たそうですが、ポルポレーシングのジャージだったそうです。ポルポ
は明石のチームなので淡路は地元みたいなものですね。
立川水仙郷を通過し小さな峠を下ると、中津川組から道は海平坦なシーサイドコースに。ここは天気がいいと青い空と海がきれいなポイントですが、今年は晴
れたり曇ったりの天気。雲間から射す陽光に心が和みます。
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シーサイドサ イクリング | 観光客であふ れる黒岩水仙郷 |
午後1時、モンキーセンター到着。3連休の真ん中ということもあってか、モンキーセンターでも入場者が多く、駐車場は満タンの状態。全員そろってレスト ラン「ちゃりこ」で昼食となりました。各自うどんの付いた定食などを注文。午後1時40分、モンキーセンター出発。黒岩へ向う途中の黒岩水仙郷でも、入場 者であふれ、駐車場ではクルマが順番待ちをしていました。一度水仙峡に入場してみたいとも思うのですが、時間の余裕がなく毎回素通りしています。次回は朝 の集合を30分ほど早めて水仙峡に立ち寄るプランを追加してもいいかも知れませんね。
午後2時、黒岩着。なんとかタイムリミットぎりぎりにたどり着くことができました。例年ならばサポートカーはこの先の灘山本から別
ルートで山越えとなり
ます。しかし、今回は上部に行くと柏原山同様雪が残っていることが予想されるので、大事を取って南の阿万へ迂回し、諭鶴羽ダム下のサイクリングターミナル
で待機することにしました。
一方、MTBは水仙郷の駐車場の横から細い道を登っていきます。いきなりの激坂で、20%はありそうな勾配が約500m続きます。黒岩から広い道を直進
すればもう少し緩やかな坂道で登ることもできるのですが、参加者のみなさんには後日の話のネタにと、毎回この名物激坂を体験してもらっています。さすがに
今回のメンバーは誰も押しが入らずクリヤー。いったん道が平らになったところで休んでいると、ちょうど道の横の家からおばあさんが出てきました。私達にど
こまでいくのかと聞くので、諭鶴羽山まで登るのだというと、わざわざ家に戻って八朔を取ってくると、私達にと渡してくれたのでした。
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黒岩の登り 口、奥は諭鶴羽山頂 | 黒岩名物の激 坂、ひぇ〜! | おばあさんが 八朔をくれました |
おばあさんと別れた後も登りは続きます。私たちが走っているのは近畿自然歩道といって四国の道と同じような長距離自然歩道。所々に道
標が立っています。
淡路島にはいくつもルートがあって、黒岩からの道は「黒岩水仙郷 沼島を望む道」という名称。最初は激坂でしたが、徐々に勾配は緩やかになってきます。道
はコンクリート舗装で、集落上部にはみかん畑が点在しています。そして、今年も路傍には自生する水仙が花を咲かせていました。
午後2時40分。動物よけのゲート到着、小休止。ここで先ほどおばあさんにもらった八朔をみんなでいただきました。味は良くて、疲れていることを差し引
いたとしても、とても美味しいものでした。
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水平線に浮か ぶのは沼島 | 動物よけの ゲートは今年も健在 | そして、木漏れ日のダートも |
動物よけのゲートをくぐって500mほど進むと次は待望のダート。ようやくMTBツーリングらしくなってきました。道を包み込むよう
なアカガシの群落。
木漏れ日を浴びながらその中を走っていきます。道路幅は普通車はちょっと厳しいけど、軽トラなら大丈夫という程度のダブルトラック。透水性が高いのか、雨
の後でもあまりドロドロにはなりません。
標高が高くなって白崎方面がみえるようになってくると道の脇には再び白いものが見え始めました。午後になっても上の方ではやはりまだ雪が解けずに残って
いたのでした。
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所々で視界が 開けます | 前方は白崎方 面のピーク | 登るにつれて 再び雪が |
3時30分、諭鶴羽の尾根に到着。曇がちになってきましたが、山頂はよく見えています。さすがにここまで上がってくると雪の量が多く
なり、道路は溶けた
雪と土が混ざってベチャベチャの状態。時間に余裕があれば諭鶴羽神社を経由して行くところですが、今年はちょっと無理。直接山頂を目指すことにしました。
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前方に諭鶴羽 山頂 | 尾根は溶けた 雪でベチャベチャ状態 | 諭鶴羽山迫る |
午後3時50分、諭鶴羽山山頂。標高は608mで淡路の最高峰。昨年は雲で何も見えませんでしたが今年は展望がありました。木が邪魔 をして360度視界 が開けている訳ではないのですが、展望台に登ると徳島方面を眺めることができました。下の写真では小さくてわかりづらいですが、中央やや上が鳴門大橋で す。
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諭鶴羽山山頂 (標高608m) | 諭鶴羽山から 見た徳島方面 | なぜか雪道は 楽しい |
諭鶴羽山からの下りは雪のシングルトラックとなりました。積雪は10cmくらい。おっかなびっくり下っていきます。コーナーでは踏ん
張りが利かずにタイ
ヤが流れるのですが、慣れればコントロールはそれほど難しいものではありませんでした。雪のシングルトラックダウンヒル。なかなかできない体験ですが、実
に楽しいものでした。
しかし、気持ちのいい下りは最初だけで、下るにつれて解け出した雪はやがて土混じりのドロドロ地帯へと変わっていきました。写真がありませんが、とにか
くこのツーリングでは過去最悪の路面状態。跳ね上げる土であっという間に自転車も体も泥だらけになってしまいました。
ダウンヒル後半は名物のガレ場地帯。このあたりまで下りてくると路面は乾いていましたが、その代わりでっかい石がゴロゴロしています。国府シングルト
ラックにはないワイルドな下り。しかも急勾配のまま結構くねくねと曲がっています。ここではテクニックと度胸が試されますが、乗って下ることができたら最
高に面白いところです。参加者の中で最もダウンヒルが達者だったのはK段君。かなりMTBのテクニックが身についているようで、ガレ場の激下りでも乗った
ままクリヤーしていました。
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雪のシングル トラックダウンヒル | 後半は名物の ガレ場が連続 | なかなか達者 なK段君 |
下りの終盤は杉林の中の激下り。実は諭鶴羽山からのダウンヒルではここが最も急で、腰をめいっぱい後ろへ引いても頭から転倒しそうで
す。杉林を下りきる
と、諭鶴羽ダムが見えてきます。最後はMTBを担いで階段を降りて終了。
諭鶴羽ダムに到着したのは午後4時40分。なんとか明るいうちに山を下りてくることができました。ダムの下にあるサイクリングターミナルでは先回りした
N川君が待機してくれていました。
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杉林の激下り を攻めるA松さん | ダウンヒル終 了 | 最後は階段 |
諭鶴羽を下り終えると、ツーリングはほぼ終了。後はまっすぐ国道28号線に出てスタート地点の緑に戻ります。陽はすっかり傾き、自転
車の影が長くなって
きました。南淡路市緑庁舎の駐車場へ戻ったのは午後5時20分。改めて全員の自転車を見ると、これでもかというくらいに泥が付着していました。体の方もお
尻から背中にかけて泥がびっしり。これぞMTBの一日という感じ。
今回は山あり、海あり、そして雪ありのツーリングでした。雪のために時間も多くかかりましたが、滅多にできない体験として記憶に残るツーリングとなりま
した。
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陽は傾き、影 が長くなってきました | 自転車も体も 泥だらけ | ウエストバッ グもこの有様 |