夏合宿2009in祖谷

Event Report

■ 実施日 : 2009年8月1日〜2日
■ 場 所 : 三好市 祖谷渓キャンプ村
■ 天 気 : 初日 曇り一時雨  二日目 晴れ時々曇 

 夏だ!合宿だ!今年は祖谷だ!
 ということで、今年の夏合宿は三好市の祖谷渓キャンプ村での実施になりました。 今年はある程度設備の整ったところということで、5月くらいから適当な場所を探していたのですが、 コテージやバンガローのあるキャンプ場で、いくつかのサイクリングコースが設定できること、アクセス、ロケーションなど、 条件を満たすところはそれほど多くありませんでした。 祖谷渓キャンプ場以外の候補としては美那川キャンプ場(木頭)、わじきラインキャンプ場(鷲敷)など。
 集合時間の午前6時30分にTOKUに集まったのは総勢22名+TOKUのスタッフ6名。 積み込み等の準備を終え、午前7時30分頃に祖谷へ向けて出発。 期待に胸躍りますが、西の方角は何やら怪しい空模様。 雨量レーダーを見ると、愛媛県北部では集中豪雨といっていいような激しい雨に見舞われているではありませんか。 果たして今年の合宿はまともに実施できるのでしょうか?

初日サイクリング

悪天候により急遽コース変更

 午前9時30分、祖谷渓キャンプ村到着。 心配していた雨は降っていません。 しかし、いつ崩れてもおかしくないような空模様にサイクリング実施について悩んでいると、 キャンプ村の管理人さんから、もうすぐ豪雨がやってくるといわれました。 雨量レーダーをチェックすると、依然として愛媛県北部に強い雨雲がかかっています。 やっぱり降るのか…。しかし、雲のエリアは狭く、午後からは止みそうな感じ。 とりあえず、サイクリングは午後からのスタートとしました。 午後からとなると当初予定していた松尾川沿いのコースは時間的に無理なので、急遽別のコースを設定しなければなりません。 祖谷の道路事情には明るくないので、地図を拡げて管理人さんに尋ねながらのコース変更です。 最初はキャンプ場から近い中津山に登ろうと思ったのですが、未舗装区間があるということで諦め、 祖谷川の上流に向う3コースとしました。

 3つのコースのうちロングコースの農道区間は管理人さんでも全線舗装されているかどうかはわからないということで、 もし未舗装の場合は来た道を引き返えさなければなりません。
 とりあえず正午まではコテージへ荷物搬入、テント張りなどを済ませることにしました。 その間、空は今にも泣き出しそうでしたが、結局ほとんど降雨のないまま正午を迎えました。雨量レーダーを見ると、 大きな雨雲はもう東へ去っていました。 祖谷では少しパラついた程度でしたが、ひと山隔てた池田ではかなり降っていたそうで、 どうやら雨雲は祖谷をかすめていった様子。 

 正午過ぎ、祖谷渓キャンプ場を出発。 待望のサイクリング開始。祖谷渓沿いの曲がりくねった道を上流に向います。 道路から谷底までは200mくらいの高低差があり、時折見下ろすと目もくらむような高度感。 小便小僧、祖谷温泉を通過、西祖谷の祖谷美人というそば屋で昼食となりました。

祖谷渓キャンプ村管理棟
初日サイクリング・小便小僧通過
西祖谷のうどん屋
キャンプ村に到着するが… 午後になってサイクリング開始 そば屋で昼食

ショート&ロングコース

 昼食後それぞれのコースに分かれて出発。 ショート&ロングコースはそば屋からさらに奥へと入っていきます。 かずら橋で、ショートとロングの各コースに分かれる予定でしたが、 かずら橋まででは距離が短か過ぎて物足りないということで、結局、14名全員がロングコースとなりました。 かずら橋を過ぎ祖谷川沿いに上り基調の道を進みます。 雨の後のせいか、川の流れは前回訪れた時より青く澄んでいるように見えます。
 東祖谷の竜宮トンネル手前で旧道へ入り、竜宮崖公園へ。 地上70メートルの吊り橋でスリルを味わった後は、国道439号の合流地点から京柱峠方面へ向います。

かずら橋手前
竜宮崖公園の吊り橋1
竜宮崖公園の吊り橋2
後ろは新祖谷温泉ホテルと
ボンネットバスのターミナル
竜宮崖公園の吊り橋 谷底までは70m、ヒェ〜!

 京柱峠までは約14kmで平均勾配4.5%の登りですが、 今回は峠まで上がる時間がないので3.7kmほど登った地点から農道へ。 山腹をトラバースして再び祖谷川沿いの県道32号に戻る予定です。 ところが、4kmほど緩やかな登りをこなし、下りに転じたかと思う間もなく舗装が途切れてしまいました。

竜宮トンネル上の旧道
国道439号から農道へ
トラバース農道
竜宮トンネル上の旧道を行く R439から農道へ 4km登ってようやく下りになったが…

 恐れていたことが現実に…。 未舗装区間はしばらく続いているようだったので、諦めて引き返し、来た道を戻ることになりました。 西祖谷までは下りなので帰りはあっという間にかずら橋まで戻ってきました。 5時までに戻るつもりでしたが、少し余裕があったので、かずら橋に回ってみました。 かずら橋は観光客でいっぱい。 こういうお決まりの観光スポットはサイクリングにはマッチしないなぁと思いつつ、一応集合写真だけは撮ったのでした。

農道を引き返す
農道復路
祖谷かずら橋
残念ながらUターン 眺めは良好 帰りはかずら橋へ

  かずら橋からは秘境祖谷大橋を渡り、県道32号へ。来た道を戻り、午後5時、予定どおりキャンプ村へ帰還。 

秘境祖谷大橋
小便小僧
秘境祖谷大橋 お馴染み小便小僧

5ステージ組 

 5ステージ組はアーロン、I 田さん、鳴門先生、森兼さん、N名さん、F森君の6名。 祖谷トンネルを越えた後、大歩危で国道32号に出てチームTTの練習となりました。 6人はいったん大豊まで走って折り返し、大歩危、小歩危、祖谷口と疾走。 吉野川沿いの国道32号は若干のアップダウンがありますが、 アーロンが前に出ると登りでも47km/hで引き倒し、他のメンバーをヒィヒィ言わせていたとか…。 並みの脚力では付き切れしてしまいそうですね。 5ステージではチームTTの成績が全てを決定するといっても過言ではなく、 リベンジするためには最優先にトレーニングするべき種目。 メンバーの並びが最初はイマイチしっくりこなかったけど、 途中で順番が変わるとスムーズに走れるようになったとかで、本番に向けての収獲もあったようです。 帰還したのはロングコース組が戻った直後。

夜の部

 走った後は汗を流すために、希望者は近くの温泉へ行くことになりました。 キャンプ村内にはコインシャワーもありますが、やはり温泉ですよね。 祖谷温泉と松尾川温泉があって、分散するつもりが、何故か全員松尾川温泉へ。 ここは昨年6月に営業を開始したばかりの真新しい温泉。 5〜6人も入れば満員の小さな温泉で、後から到着した者は外で待たなければなりませんでした。
 午後6時頃になると再び雨が降り出しました。本降りでしばらく止みそうにありません。 夕食も雨が降る中、炊事場と、テントの下。なんとか雨をしのいでの宴会となりました。 午後9時を回ってY村さん、F岡さん、かまださん到着。 これで今回のメンバーが出揃い、その後も宴会は夜更けまで続いたのでした。

夜の部1
夜の部2
夜の部3
夜の部スタート! 5ステージ組は作戦会議 宴会は続きます

2日目サイクリング

コースは松尾川〜水ノ口峠(腕山)〜黒沢湿原

 2日目は朝もやの中で朝食。8時半過ぎにスタート。 日曜日は、前日に予定していたコースを走ることにしました。 コースは出合から松尾川沿いに走り、竜ヶ岳を通過した後、水ノ口峠を経、ショートコースは影野から黒沢湿原へ、 ロングコースは井川〜池田を経由して山越えで黒沢湿原という2コース。

朝もやの中で朝食
2日目サイクリング出発!
松尾川に沿って上流に向う1
朝もやの中での朝食 祖谷渓キャンプ村を出発 出合から松尾川沿いに進みます

祖谷渓キャンプ村〜竜ヶ岳

 まずは祖谷口に向かって約3km、祖谷川沿いに走ります。朝の空気がすがすがしく感じられました。 出合いからは県道140号で松尾川沿いに上流へ。2.7kmほど走ると松尾川温泉があります。 松尾川温泉から先は5ステージ組などペースの早い人にまとまって先行してもらうつもりでした。 ところが、少し走ったところで、唐突にF森君が滑って転倒。 すぐ後ろを走っていたM兼さんとF岡さんも連鎖的に転倒。通行量の少ない山道の日陰部分、センター部分に付着した泥が濡れてヌルヌル状態になっていたのでした。 後続にセンターは通らないよう伝え再スタート。落車のせいでペースが上がりません。
 松尾川沿いのアップダウンは上流に進むほど登りの割合が増えてきます。 途中には竜ヶ岳があり、高さ400m以上、幅4kmに及ぶ断崖は東洋一なのだそうですが、緑に覆われた夏はイマイチ迫力が感じられません。山奥なのにいざ写真を撮ろうとしたら、電線が邪魔をするのもマイナス要因。 ただし、秋の紅葉はかなり見ごたえがありそうです。

 私達が走った松尾川沿いの道は昔からの道ではなく、昭和30年代に松尾川ダムの建設に伴ってになって開設されたもの。 それ以前は峠越えの山道しかありませんでした。 この道ができてからは、竜ヶ岳一帯では天然林が皆伐され、松尾川の河床に点在していた青石は庭石として乱獲されるといった自然破壊が顕著で、渓谷の景観は大きく変貌してしまいました。道路ができたおかげで山奥の集落の生活は便利になりましたが、 道の開通は必ずしも良いことだけをもたらした訳ではなかったということです。

沢沿いの木漏れ日
竜ヶ岳付近
下名橋を渡る
木陰の多い沢沿いのコース 竜ヶ岳付近 下名橋を渡るとあとは登りのみ

竜ヶ岳〜水ノ口峠

 竜ヶ岳を過ぎると下名(しもみょう)橋を渡って右岸側へ。 ここからはもう下りはなく、水ノ口峠までは登り一辺倒になります。 とはいえ勾配は上勝の八重地や神山側の梨ノ峠の登り程度で緩やか。 途中、標高約700m付近にある小祖谷(おいや)の集落で休憩。 こんな山奥に集落があるのに驚かされますが、小祖谷にはかつて小学校や中学校の分校までありました。 県道32号が開通する以前は辻から腕山を越えて小祖谷に至り、さらに奥の祖谷へ入るのが主要ルートで、人々の往来もさかんだったのです。 しかし、祖谷川沿いの新道開通以降、松尾川沿いの集落は寂れる一方で、今では人口の流出とともに学校も廃校になっています。 これは松尾川ダムの上流の深渕とよく似た状況です。 小祖谷を通過すると最初はややきつい登り。3.7kmほど進むと松尾川ダムとの分岐。 ここから路線は県道265号に変わります。路線が変わっても道路の状況は何も変わりません。 ただ、小さな沢が道路わきを平行して流れるようになると勾配はさらに緩やかになって、 佐那河内の府能の登りと同じくらいになります。大学の森を通過すると間もなく林道日の丸線との分岐。 ここを左に曲がり、200mほどで水ノ口峠。 西祖谷と井川の境の水ノ口峠は標高1100mを超えるけど、展望がなく、とっても地味。

小祖谷
かなり標高が上がってきた
水ノ口峠
小祖谷で小休止 標高800m付近 標高のわりに地味な水ノ口峠

水ノ口峠〜黒沢湿原

 水ノ口峠からは腕山スキー場の前を通過し、西に向かって下りながらトラバースしていきます。 緩やかで長い下り、路面が乾いているときなら結構スピードが出る道ですが、まだ濡れているところもあり、速度を抑えて下りました。 12時5分、影野と井川との分岐。標高約570m。ここから路線は再び県道140号に戻ります。 当初は、ここからショートコースは影野を経由して黒沢湿原に至るコースへ、 ロングコースはいったん国道192号線まで出て、池田から山越えで黒沢湿原に至るコースへと分かれる予定でしたが、 うまくグループ分けができず、全体が最後尾の走者を待ちながら進んだために、 ロングコースを走ることは時間的に無理になってしまいました。 池田から黒沢湿原に至るトラバースルートは展望に恵まれたコースだっただけに残念…。

腕山スキー場通過
視界が広がる
影野への分岐
井川スキー場付近 トラバースルートと夏らしい雲 R265からR140(影野)へ

 県道j140号からは結局全員でショートコースを走ることになりました。 分岐点からいったん標高670mまで登り、影野の集落を経て黒沢湿原に至ります。 12時45分、標高約550mの黒沢湿原に到着。松林の下で長めの休憩。湿原には白いサギソウがちらほら咲いていました。

影野から黒沢湿原へ
黒沢湿原
黒沢湿原のサギゾウ
O政君&M田さん 黒沢湿原 サギソウ
 

黒沢湿原〜祖谷渓キャンプ村

 午後1時45分、黒沢湿原の前で集合写真撮影の後、祖谷渓キャンプ場に向けてスタート。 黒沢湿原からはもう登りはなく、出合まで舗装林道で下ります。 緑色の苔が生えた道をスリップダウンしないよう、慎重に下っていきました。 下りの途中で鳴門先生がパンク。なぜがこの日は5ステージのメンバーにトラブルが続きました。
 出合まで下ったあとは県道32号で来た道を戻ります。 全員がキャンプ村まで戻ったのは午後2時でした。

黒沢湿原で全員集合
黒沢湿原から出合へ
昼食の焼ソバ調理中
黒沢湿原にて 黒沢湿原から出合へ 昼食は焼ソバ

 今回のサイクリングはショートコースとロングコースのグループ分けがうまくいかなかったことに加え、 60km弱のショートコースも本格的な山岳コースであったために、初心者にはかなり厳しく、 1名の方が松尾川沿いのアップダウンの段階で走行不能になってしまいました。 下見の際には涼しくていいコースという印象だったのですが、いざ本番を実施してみると、今後に課題を残す結果となってしまいました。

 キャンプ村に戻ってからは遅めの昼食。今年も、お昼は焼きソバです。 それにしても、今回もTOKUのスタッフのみなさんにはサイクリングのサポート、食事の支度など、大変お世話になりました。 来年も楽しい合宿を期待しています。

虎太郎くん&ひよりちゃん
自転車談議中
こちらでも、自転車談議中
こたにい&ひよちゃん 自転車談義中 こちらでも自転車談議中

キャンプ村にて集合写真
お疲れさまでした、来年もよろしく!