土須ー八重地

Cycling Course Guide

1000m級の峠ふたつ

神山と木沢の境にある土須峠。木沢と上勝の境にある八重地トンネル。 両者はいずれも1000m級の峠で、練習やツーリングによく利用する。 このページで紹介するのは徳島市内を出てふたつの峠を越えた後、再び徳島市内へ戻ってくる周回コース。 夏場によく走るコースだが、春の新緑や秋の紅葉の時期にも是非走ってみたい。

土須峠へ

国道438号で神山に入り、鮎喰川沿いに上流に向かうと上分の川又で国道193号線の分岐が現れる。 徳島駅前の起点から約36kmの地点。ここは土須、倉羅、川井という県内の主要な峠を目指す基点である。 そのまま直進すると倉羅峠や川井峠に至る。土須峠へは川又から国道193号に入り、支流の神通谷川に沿って進む。 登り基調の細い道で、部分的に改良されている。 ところどころ急勾配の箇所があるが、まだ本格的な登りではない。

土須峠川又から約2.8km入った中津の集落前から登坂 開始。 起点は神通谷川に架かる橋の前とした。 登り始めてから500mほどのところに神通の滝へと至る分岐があるが、ここは道なりに直進。 大中尾谷川沿いに直線的に伸びていた道がヘアピンを描くとつづら折となる。 ヒルクライムは始まったばかり。峠まではまだ8km残っている。 ヘアピンより上は杉木立に囲まれた道。陽射が遮られ夏は涼しい。 峠までの道はきつい登りではあるが、勾配の変化が少なく一定のペースで登っていける。 登るにつれて視界が開けてくる。起点から7km過ぎの地点には岳人の森がある。 ここで標高約810m。岳人の森を過ぎると谷越しに雲早トンネルが見えてくる。 トンネル付近は岩肌が露出し、いかにも山岳コースっぽい景観。 トンネルの標高は990m。気温は標高が100m上がると、0.6℃下がるので、ここは下界よりも6℃ほど気温が低い。 盛夏なら、トンネル脇に腰を下ろして涼みたくなる。

土須峠プロフィール

八重地に向う場合は標高450m地点から県道16号を走るが、プロフィー ルではそこより約100m下の県道295号との分岐を木沢側から登る場合の起点とした。

八重地へ

八重地への登り 雲早トンネルから先は木沢に向 かって下っていく。 時期によっては意外と対向車が多いので注意して下ること。 また、こちら側の道は勾配の変化が多い。 木沢側から登る場合は、インターバルをやっているようで、神山側の登りとは違った苦しさがある。 しかし、景観はこちらの方がいい。 道路と並行する釜ヶ谷川の渓谷美は、新緑や紅葉の時期には一度は見ておきたいし、 標高600m付近の大釜の滝は渓谷を代表するビューポイント。 大釜の滝から約3kmほど下ると三叉路になる。ここからは左折して県道16号で上勝へと向う。 道は再び登りとなる。今度の勾配は緩い。その分、距離は長くなる。 まだかまだかと言う感じで、少々ウンザリするかも知れない。 救いは前半見晴らしがいいこと。ただし谷側は断崖絶壁となっている。 後半は木に包まれることの多い、典型的な山道。 勾配は前半よりも少しきつい。杉林を抜けたら、峠まであと少し。 八重地トンネルの標高は960mで土須峠よりも少しだけ低い。

八重地プロフィール

徳島市内へ戻る

トンネルからは上勝側へつづら折りを下っていく。 高丸山の入口を通過すると杉に囲まれた箇所が多くなる。 勾配はこちら側も緩くて平均6%。勾配の変化も少ない。 標高500mよりも下になると、ちらほらと人家が現れてくる。 神山の奥のとよく似た雰囲気。しかし上勝には高齢化が著しい過疎の山村とは思えない活気がある。 いろどり事業の成功によるものだ。 いろどりは何の変哲もない山間部でもアイデア次第で経済的にも精神的にも豊かになれることを証明した。 メディアで採りあげられたことで全国的にも知られるところとなり、県外からの移住者さえ現れた。 とはいえ自転車でさっと通り過ぎてしまう分には上勝はやっぱりただの山里だ。 役場前を通過し、月ヶ谷温泉の少し下流まで行くと、いっきゅう茶屋がある。 特産品の販売所で休憩にはちょうどよい。二階には軽食もある。 喫茶室から下を眺めると正木ダムのダム湖が広がっている。 ダム湖のバックウォーターから少し上流には毎年TOKUの夏合宿を行っていた川原があった。 しかし、ここ数年は川原の縮小に伴い、場所を変えての実施となっている。

休憩の後も引き続き県道16号を走る。 下り基調のアップダウンで、勝浦の新坂本トンネルの下りを終えるとその先はフラットになる。 以降、勝浦川沿いに走って徳島市内へと戻る。 なお、勝浦川は下流域まで清流といっていい澄んだ流れであったが、近年は水質が低下した。 飯谷小学校前の川原などは毎年夏になると大勢の家族連れ等でにぎわっていたが、今では澱んだ水に藻が発生し、 かつての姿は見る影もない。 自転車には直接関係ないことだが残念と言わざるを得ない。 それにしても、神山の鮎喰川は今でも泳げるだけの水質を保っているのに、勝浦川の汚れはいったい何が原因なのだろう。 両河川の水質の違いはダムの有無のような気もするが、正木ダムの竣工は1978年であり、 水質低下が著しくなってきたのはせいぜいここ5年以内(2009年現在)だから、 要因は何か他にもあるのだろう。


土須−八重地マップ